バリアフリーリフォームでの手すりの設置場所と取り付け方を解説
手すりは、高齢者や介護が必要な人、妊婦や小さな子どもが家の中を安全に移動するために必要な設備です。しかし、家に手すりの設置を考えていても、どこにどのようにして取り付ければ良いのか迷ってしまう人は多いでしょう。そこで本記事では、バリアフリーリフォームで手すりを設置する際の設置場所や目的、メリットについて解説します。
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手すりの種類・材質
手すりの主な種類と材質の特徴について解説します。
種類
手すりの種類は主に以下の2つに分けられます。
- 歩行補助手すり
- 動作補助手すり
歩行補助手すり
階段や廊下、スロープなどの通路に設置されるタイプの手すりで、歩行をサポートする働きがあります。他にも座り姿勢を安定させたり、転倒や転落を防止したりすることを目的として設置されます。
動作補助手すり
動作補助手すりは、トイレや浴室など狭い場所で立ち上がりなどの動きを補助する役割があります。アルファベットのIやLの形に見えることから、I型、L型手すりと呼ばれることもあります。
材質
手すりの主な材質は以下の3つです。取り付ける際は使うシーンや目的に合ったものを選びましょう。
- 木
- プラスチック
- ステンレス
木
木製の手すりは手になじみやすく、冷たさを感じにくいことが特徴です。一方、滑りやすいためバリアフリーリフォームで取り付ける際は滑りにくい樹脂コーティングされたものを選ぶことをおすすめします。また、木は水に弱いため、水回りへの設置は避けましょう。
プラスチック
水に強く、トイレや浴室など水回りへの設置に向いています。ただし、水に濡れると滑りやすくなるため、濡れやすい場所へ設置する場合は滑り止め加工が必要です。
ステンレス
さびにくく丈夫な素材で、玄関外など野外の手すりに最適です。しかし、熱を伝えやすい性質を持つため、夏は熱を帯び、冬は冷たさを感じてしまいます。野外に設置する際は樹脂などでコーティングされたものを選びましょう。
手すりの設置場所と目的・メリット
家の中で手すりを設置するべき場所は以下の5つです。設置が推奨される理由と目的、手すりがあることで得られるメリットを解説します。
- 玄関
- 階段・廊下
- ドア
- トイレ
- お風呂
玄関
日本家屋の多くは、土間と床に上がり框があります。この段差を乗り越えての移動は、高齢者や介護が必要な人にとっては負担となるため、移動をサポートする手すりが必要です。手すりを設置することで、段差の昇降や歩行が楽になるだけではなく、姿勢が安定するため転倒のリスクも軽減できます。
玄関に設置する手すりは、身体を支えるI型と歩行を補助する水平型の手すりが組み合わさったタイプを選びましょう。
階段・廊下
階段や廊下など、家の中を移動する際に通る場所は、歩行をサポートしてくれる手すりを設置しましょう。手すりの理想的な取り付け位置や形状は利用者によって異なるため、設置の際は利用者や業者に相談しながら選びましょう。
トイレ
トイレは座り立ちする場所であるため、高齢者や介護が必要な人にとって負担がかかりやすい場所です。手すりを取り付けることで、動作をサポートしてくれるので、負担の軽減が期待できます。
手すりを設置する際は、利用者が使いやすい位置に設置するのはもちろんですが、ウォシュレットのリモコンやトイレットペーパーなど、その他の設備との位置関係も考慮して邪魔にならない場所を選ぶことが大切です。
お風呂
滑りやすく転倒のリスクが高いお風呂場も、手すりの設置が必要です。浴槽への出入りや、転倒防止のために浴槽周りや洗い場など、各所に手すりを設置しましょう。浴槽へ設置する手すりは、水分によって滑らない材質のものを選ぶことも大切です。
手すりを設置して家をバリアフリー化しよう
家に手すりを設置することで、高齢者や介護が必要な人は移動や動作が楽になります。手すりを取り付ける際は、使用シーンに合った形状、素材のものを選びましょう。また、利用者の体格や身長に合わせて高さを調整することも大切です。