車椅子向けのバリアフリーリフォームのポイントとは?費用も解説
自身や家族に車椅子が必要となった際、これまでの家では段差を超えられなかったり、通路が通りにくくなったりと暮らしにくくなる場合があります。また、転倒など怪我のリスクもあるため、バリアフリーリフォームで危険や不便がある部分を取り除くべきです。本記事では、車椅子向けのリフォーム箇所とポイント、工事費用について解説します。
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車椅子向けのリフォーム箇所とポイント・費用
車椅子向けにリフォームするべき箇所と、工事のポイントや費用について解説します。
部屋
リビングやトイレなど、全ての部屋に共通するリフォームポイントは以下の3つです。
- 出入り口などの段差を解消する
- 扉の開口部を広げて引き戸タイプに変える
- 照明などスイッチ類の高さを調整する
出入り口などの段差を解消する
各部屋への出入り口にある段差は、車椅子が引っ掛かり通りづらくなってしまう原因です。また、年齢を重ねて足腰が弱ってくると、わずかな段差でもつまずき転倒する恐れがあるため、家の中の段差は早めに解消しておくべきです。段差解消の主な方法と費用は以下の通りです。
方法 |
特徴 |
目安費用 |
---|---|---|
スロープ材を取り付ける |
|
1か所あたり約1万円 |
大型スロープを設置する |
|
約20万円 |
段差を撤去する |
|
1か所あたり約2万円 |
段差解消のリフォームを行う場合は、段差の高さや予算に合わせて最適な方法を選びましょう。
扉の開口部を広げて引き戸タイプに変える
一般的なドアの開口部は70cm程度で、車椅子が通るには幅が狭く、通行が困難になりがちです。各部屋の開口部を広げておくと、車椅子が通りやすくなる他にも、歩行介助が必要となった際に介助者と横並びで通れるようになるメリットがあります。
ただし、開口部を広げるとその分ドアも大きくなり、開きにくくなる場合があります。また、車椅子に乗った状態では扉の開閉が難しいため、扉を引き戸タイプに変更することも検討しましょう。ドアの開口を変更する工事の費用相場は30万円程度です。
照明などスイッチ類の高さを調整する
一般的に照明などのスイッチが設置されている高さは健常者の胸あたりです。車椅子に乗った状態では手が届かない場合があるため、スイッチ類の位置を調整する必要があります。スイッチの位置変更の工事にかかる費用は、1か所あたり約1万円です。
玄関
玄関の段差を解消する方法としては、スロープの設置があります。車椅子向けにスロープを設置する場合、手すりを掴んで移動した方が楽であることが多いため、手すりも設置しましょう。手すり付きスロープの設置費用は約50万円です。ただし、外構を取り払う必要がある場合、撤去費用も加算されるため、事前に業者に見積もりを依頼しましょう。
階段
2階以上の建物の場合、階段に昇降機を取り付けたり、ホームエレベーターを設置したりすることで車椅子利用者でも安全に上階に上れるようになります。階段昇降機の設置費用の目安は約100万円、ホームエレベーターの場合は約300万円です。
浴室
浴室を車椅子利用者向けにバリアフリーリフォームする際のポイントは以下の2つです。
- 床・手すりを滑りにくいものに変える
- 浴室介助機器を導入する
床・手すりを滑りにくいものに変える
浴室は水やせっけんなどによって滑りやすく、身体を支えたり掴まったりする箇所が少ないため、浴槽への移動が困難であったり、怪我のリスクがあったりします。これらの危険を取り除くためには、床や手すりを滑りにくい素材のものへ変更するのがおすすめです。床材の張替え工事の費用相場は約10~20万円、手すりの設置は約3~5万円です。
浴室介助機器を導入する
掴まり立ちが困難な場合は、椅子に座ったまま浴槽に移動できるバスリフトの設置を検討しましょう。昇降リフトの取付け費用の目安は約20~30万円です。
バリアフリーリフォームで車椅子でも快適に過ごせる家にしよう
車椅子の利用が必要になった場合、ドアが開きにくい、段差が超えられないなど、これまで通りの生活が難しくなるケースがあります。バリアフリーリフォームを行うことで、車椅子利用者だけではなく、高齢者や小さな子どもまで暮らしやすくなります。必要なリフォームや費用は家族構成や家の状況によっても異なるので、専門の業者に相談しましょう。